常心門空手

生涯を通じ武道を学べる教育伝体系“真・行・草”というシステム

常心門では生涯武道として奥に達する為の「真・行・草」の三つの関門がある。競技によって一定にレベルに達したものが、さらに奥へと足を踏み入れると奥義に存在する妙なる術里の世界が開けてくる。

【「体」と「用」との橋渡しとしての真・行・草】
常心門の教伝体系は大別して体と用に別れる、体とは体の練りであり、基本や型がこれに含まれる。用は文字通り技の活用であり、専ら自由組手によって養われる。
しかし従来の方法では体と用の間にギャップが生じることになる。真・行・草の理論はこの間をつなぐ方法論でもある。
「真」 基本と型の動きを正確に体得し、型の意図するところを理解し、組手によって正確な攻防の技術を身につける
「行」真で身につけた技術を変質させていく、攻撃技と受技の区切りがほとんどなくなっていく境地を目指す。
「草」攻防一体の動きになり、動けばそれが技になる境地を目指す。

これが常心門における術里の完成された姿であり、ここに到れば技は極限まで単純化され、最小限度の動きで相手を倒すことが可能になる。
「空手はいかにすれば生涯かけて探究できる武道になるか、ということを考えると競技試合はもちろんくぐらなければならない経験でしょう。しかしそれは若い時しかできない。それから先は今までの経験を下地にして、いかに技量を深めていくことが出来るか、その方法論として真・行・草というシステムを構築したわけです。」
1997 年「秘伝」7 月号より